狂犬病について
狂犬病とは
狂犬病は、ヒトを含むすべての哺乳類がかかります。
感染経路としては、狂犬病にかかった動物に咬まれたところから唾液に含まれたウイルスが侵入することにより感染します。治療法はなく、いったん発病するとほぼ100%死に至ります。
アジア、アフリカではイヌ、北米、南米及びヨーロッパではコウモリ等が狂犬病の媒介動物として知られており、WHOによる世界の発生状況の推計(2017)では、年間の死亡者数59,000人(うち、アジア地域35,000人、アフリカ地域21,000人)、年間の暴露後ワクチン接種者数推計1,500万人となっています。
我が国では、近年、アジアで犬にかまれ、帰国後に亡くなった輸入感染症例が散発しています。
我が国における発生状況
1953年 | 1954年 | 1955年 | 1956年 | 1970年 | 2006年 | 2020年 | |
死亡者数 | 3人 | 1人 | 0人 | 1人 | 1人 (※1) | 2人 (※2) | 1人 (※3) |
犬の発生数 | 176頭 | 98頭 | 23頭 | 6頭 | 発生なし | 発生なし | 発生なし |
※1 ネパールを旅行中、犬に咬まれ帰国後発病、死亡した輸入感染症例。
※2 フィリピンを旅行中、犬に咬まれ帰国後発病、死亡した輸入感染症例。
※3 フィリピンで犬に咬まれ、入国後発病、死亡した輸入感染症例。
飼い犬の登録と狂犬病予防注射について
飼い犬の登録は済んでいますか?
生後91日以上の犬の飼い主の方は、お住いの市区町村の窓口で、登録をお願いします。登録は、1頭の犬につき生涯1回です。
狂犬病は飼い犬に予防注射をすることで発症を予防することができます。
しっかりと予防注射を受けさせることで狂犬病から守ることはもちろん、飼い主の方やご家族、近隣の方々や動物への感染を防止できます。ですから、生後91日以上の飼い犬には速やかに予防注射を受けさせ、その後は1年に1回(予防注射接種時期は4~6月)の予防注射で免疫を補強させましょう。
狂犬病予防注射はお住まいの市町村が行う春の集合注射、または動物病院で接種することができます。場合によっては、秋に臨時の集合注射が行われる場合もあります。
飼い犬に鑑札と注射済票は付けていますか?
飼い犬の登録をした際には「鑑札」、狂犬病予防注射の接種を受けた際には「注射済票」が交付されます。この鑑札と注射済票は、登録された犬もしくは狂犬病予防注射を受けた犬であることを証明するための標識ですので、飼い犬に着けておかなければなりません。鑑札には登録番号が記載されています。もしも飼い犬が迷子になっても、装着されている鑑札から確実に飼い主の元に戻すことができます。
なお、狂犬病の発生とまん延を防止するため、都道府県等の狂犬病予防員は所有者の分からない犬や予防注射を適切に受けていない犬(鑑札や注射済票を付けていない犬)の抑留(動物愛護センターにけい留し、飼い主がいる犬であるかどうかを確かめること)を行います。
参考文献:厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/
参考文献:国立感染症研究所HP
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/rabies.html